就業規則があることで実現できること
就業規則があることで実現できること
就業規則があることで実現できることとはなんでしょう。
お客様からのご相談でよく言われるのが、
「就業規則があれば助成金の申請もできるんでしょう?」ということ。
それは確かにそうで、
就業規則がなければそもそも申請できない助成金が多いので、
助成金というのは、就業規則があることで実現できることの一つでしょう。
また、2020年から始まった同一労働同一賃金の観点からも、
無期雇用の常勤スタッフとパートや有期雇用のスタッフ間の
不合理な待遇差を解消するという意味で、就業規則の果たす役割は大きいです。
ただ、こうした表面的なメリットよりもずっと大切なことがあります。
それは、就業規則とは、
スタッフが安心して働くことのできる土台であり、
院長先生が安心してマネジメントできる土台であるということ。
つまり、就業規則があることで実現できることのうち最も大きなものは、
『スタッフも経営者も安心して業務に専念できる環境づくり』と考えます。
意外かもしれませんが、就業規則をつくりたいというご相談は、
院長先生からだけでなく、スタッフさんの方からもいただいたりするんです。
就業規則というと、
「従業員を管理する規則」というイメージがありませんか?
だから、経営者の中には、
就業規則を自分の有利になるようにこっそりつくって、
できれば従業員に気づかれないよう密かに運用して、
何かあったときに振りかざす印籠のように考える人もいたりします。
(従業員に周知せず、こっそり運用するのはダメですよ!)
でも、実はスタッフさんの方も、就業規則をつくってほしいと思っているのです。
なぜかって?
それは、「不公平な扱いを受けたくないから」。
クリニックで働くスタッフは女性が多く、「不公平」にとても敏感です。
「私はみんなに迷惑をかけないようにできるだけ休まずがんばっているのに、
しょっちゅう有休を取ってる○○さんはズルい。」とか、
「時間を確認するため携帯を見ただけで私は注意されたのに、
新人の○○さんは勤務時間中に何度もスマホを覗いていても
院長先生から怒られていないのはおかしい。」とか。
言葉や顔に出していなくても、
こころの内にネガティブな感情をため込んでいる場合が結構あります。
そして、こうした負の感情が折り重なって、
スタッフがクリニックに突然来なくなったり、退職を申し出たり、
ほかのスタッフを引き連れて辞めていったり。
そんなの困りますよね。
院長先生からすれば「突然どうした!?」という驚きの事態かもしれませんが、
事の発端は「スタッフが不公平な扱いをされたと感じたこと」。
事実かどうかは別にして、
スタッフがそのように感じるのであれば、それは不公平な扱いとされてしまうのです。
これは、クリニックに明確なルールがないことが原因です。
「堅苦しいルールなんてなくても、うちはみんなで仲良くやれている。」
「長く勤めてくれている人が多いから、阿吽の呼吸でうまく回っている。」
なんて思っていても、新しいスタッフが入ってきた途端に、
その空気が壊れることもよくあります。
そういう場面をこれまでたくさん見てきました。
だから、まずは院長先生のマインドを少しだけアップデートしましょう。
「スタッフは管理されるのが嫌なのではなく、不公平が嫌なのだ」と。
就業規則という明文化されたルールがあることは、
スタッフが安心して働くことのできる環境づくりにつながります。
明文化されたルールがなく、これまでの慣行でなんとなくやってきていると、
「あの子は許されて私は許されない謎のルール」があると思い込むスタッフも出てきますし、
院長先生や事務長に不信感を募らせるスタッフも出てきます。
そうなると、仕事どころではありません。
逆に、明確なルールがあれば、
安心して業務に打ち込むことができます。
人間とは、そういうもの。
感情で動くものだからです。
したがって、
就業規則があることで実現できる最も大きなことは、
『スタッフも経営者も、安心して業務に専念できる環境づくり』
就業規則があることで、スタッフはもちろん、
院長先生もスタッフの負の感情に引っ張られることなく、
経営や日々の診療に専念できるのです。
当事務所では、他院での実施事例をもとに各院に応じた制度設計をご提案し、
クリニックに適した就業規則の作成・届出から日々の運用に至るまで総合的にサポートしております。
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