医療機関に適した変形労働時間制

クリニックに最適な「変形労働時間制」をご存知ですか?

■労働時間における医療機関特有の事情

労働基準法では、1週40時間、1日8時間を法定労働時間として、それらを超える労働を禁じています(同法第32条)。
しかし、毎日毎週、同じ労働時間内で働ける職種ばかりではありません。

先生方のクリニックでは、レセプト業務の集中する月末や月初に残業時間が多くなることはありませんか?
あるいは、連休明けの週は患者さんが多く診療時間が延びて残業が発生するけれど、翌週は少ない、といったことはありませんか?

そのようなとき、多く発生する残業を別の週で調整できれば良いのに、と感じられるのではないでしょうか。
このような問題を解決するのが「変形労働時間制」という制度です。

これは、特定期間の中で繁忙時期と閑散時期のある事業に対応するため、1週40時間、1日8時間という法定労働時間を弾力化する仕組みであり、労働基準法により制度として定められています。

■「変形労働時間制」とは。

特定の期間内で法定労働時間の枠組みに融通を効かせてくれるのが変形労働時間制ですが、その特定期間として「1週間」「1か月」「1年」の単位が認められています(柔軟な労働時間制度としては他にもフレックスタイム制等がありますが、ここでは割愛します)。

それぞれ適用要件があるところ、最も一般的なのは「1か月単位の変形労働時間制」です(労働基準法第32条の2)。
クリニックにも、こちらがおすすめです。

■1か月単位の変形労働時間制ならば、時間外労働はどのようになるか。

1か月単位の変形労働時間制とは、変形期間である1か月の中で、1週間の労働時間を平均40時間内に収めれば、1日8時間や1週40時間を超えてもよいという制度です。

この制度を採用する場合、まずは「対象期間(1か月)すべての労働日ごとの労働時間」を前もって定めます。
その際、当該1か月を平均して、1週あたりの労働時間が40時間を超えないよう設定する必要があります。

そうすると、第1週や第4週はレセプト業務で労働時間が長引きそうなので週の所定労働時間が42時間になるけれど、代わりに第3週は36時間になるなど、週により所定労働時間を変えることが可能になります。

そして、時間外労働については、「1日」⇒「1週間」⇒「1か月(変形期間)」の単位でそれぞれ労働時間を確認し、時間外労働を算出します。

(1)1日あたり
所定労働時間が8時間を超える日(たとえば9時間)⇒所定労働時間(9時間)を超えた時間
所定労働時間が8時間を超えない日(たとえば7時間)⇒8時間を超えた時間
(2)1週あたり
所定労働時間が40時間を超える日(たとえば42時間)⇒所定労働時間(42時間)を超えた時間
所定労働時間が40時間を超えない日(たとえば36時間)⇒40時間を超えた時間
※ただし、ダブルカウントとなるので、上記から(1)の時間を差し引いた時間が時間外労働となります。
(3)対象期間全体(1か月)あたり
法定労働時間(1か月分。月の歴日数31日の月なら177.1時間)の総枠を超えた時間
※ただし、上記から(1)及び(2)の時間を差し引いた時間が時間外労働となります。

このように、1か月単位の変形労働時間制では、1日8時間や1週40時間を超えても時間外労働とならない日や週を作ることができるのです。

■医療機関での活用法

医療機関での活用としては、次のような方法が考えられます。

(例1)レセプト業務が集中する期間への対応
レセプト業務集中により残業が発生しそうな月末や月初は、1日の所定労働時間を9時間に。その他の期間は1日7時間に設定する。

(例2)平日に休診日を設け、1日の労働時間を長くする
診療日の所定労働時間を9時間に設定し、土曜日を4時間とする。

上記2つの例ともに、通常であれば9時間労働した日は1時間の時間外労働が発生するところ、変形労働時間制を採用することで解消されます。

■1か月単位の変形労働時間制を採用するには

このように大変便利な変形労働時間制ですが、採用にあたっては手続きが必要です。

1.労使協定または就業規則で次の事項を定め、届け出ます。

【定める事項】
① 対象労働者の範囲
② 対象期間および起算日
③ 労働日および労働日ごとの労働時間
④(労使協定で定める場合)労使協定の有効期間

実務上は、就業規則で定める場合が多いです。
従業員10名未満のクリニックは就業規則の作成義務はありませんが、変形労働時間制を採用するならば、たとえ義務がなくとも就業規則で定める方が良いでしょう。(医療機関の就業規則については、こちらの記事で解説しています。)

■変形労働時間制の制度設計から導入までサポートいたします

変形労働時間制は柔軟な働き方を可能にする一方で、正しく制度を周知しなければ、クリニックで働くスタッフさんの誤解を招く恐れもあります。
当事務所では、他院での実施事例をもとに、各院に応じた制度設計を行い、規則の定めから届出に至る導入サポートを行っております。
まずはお気軽にご相談ください(全国対応しています)。

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